2008/06/05

20080604 いま、会いにゆきます 市川拓司

20080604 いま、会いにゆきます 市川拓司

一回読んで、ラストの手紙の部分をもう一回読んだ。
現実にはあり得ないが、正直で素朴な若者の恋愛を痛いほど感じさせる。
私は泣かなかったが、泣かせる手紙である。

主人公の青年はどうやら私と同じような病気に苦しんでいる。
主人公の言葉に、苦しみそのものへの恐れとこの苦しみが永遠に続くことへの恐れ、というものがありまさにこの種の病気に苦しむものにとってのおぞましき恐れが表れている。

ちょっと疑問に思うのは、幽霊として現れたにしても、7歳も違ったら随分外見も違うんじゃないかと、思いますが、そういうところはお約束で突っ込まないものなんでしょうか。

女性の方の読後感想を読みたい。
 

2008/06/01

20080531 21世紀版 マーフィーの法則 アーサー・ブロック


20080531 21世紀版 マーフィーの法則 アーサー・ブロック

マーフィーの法則は何度もよく聞いたが本で読んだことはなかった。
読んでみようと本を調べると、何冊もある。
21世紀版ということでこの本を選んだ。
ほとんど飛ばし読みで最後の十数ページは読んでいない。
本としては面白みがない。
格言のごときことばも英語圏のネイティブが英語で読めば面白いのかもしれないが、ことば遊びに終わっているものが多い。
2つ、3つほど参考になるものがあった。

20080531 百年の孤独 G・ガルシア・マルケス


20080531 百年の孤独 G・ガルシア・マルケス
ノーベル賞作家の名著だということで読んでみた。
まず、タイトルがいい。
どこを読んでも南米の匂いが感じられる。
本の中で時はどんどん過ぎてゆき主人公も次々と代替わりするが、人間としては最初から最後まで同じブエンディア家の男と女であり行動や思想に変わりはない。
最終末になって百年の孤独の意味が明らかになるが、現実とも幻想ともつかない激動流転の家系の歴史は人々の熱い生命の息吹を熱波のように感じさせるものがある。
ウルスラを始め、女性の長寿には驚くものがある。
女性がしっかりしているが男性はアナーキーで凝り性で独りよがりな点は一族のどの人間にも共通だ。
サンタ・ソフィアなどまともな人間は離れていく。
衝天したレメディオスがどうなったか、気になるところだ。
ブエンディア家の血筋を変える期待を抱かせたフェルナンダの行き過ぎた手管のために、この結末に至るところがなんとも皮肉である。
百年たってもブエンディア家は己の血から逃れることは出来なかったのである。

20080519 地を這う虫 高村 薫


20080519 地を這う虫 高村 薫

高村薫の五つの短編集。
高村薫の本はどれも好きだ。読んでいてぐいぐい引き込まれる面白さがある。
この本はどの短編にも思いもよらない結幕が用意されていて、並々ならぬ作者の力量に又もや感服した。
氏は現場の取材はきちんとするが、書くときは自宅の書斎で考え考え、書くそうだ。
想像の粋で書いているとはとても思えないリアリティがあり、迫力がある。
氏の本で今まで一番面白かったのは、レディ・ジョーカー。
これを期に、読んでいない本を読破したいと思った。

20080516アキハバラ@DEEP 石田衣良


20080516アキハバラ@DEEP 石田衣良

なかなか面白い本だった。
この本に出てくる秋葉原よりずっと昔から秋葉原に良く行く自分には知っているフィールドが数多く出ていて、かなり身近な物語に思えた。
著者がITやPCに関する専門的な分野の話をきちんと書いており、物語の信憑性を獲得している。
つっこんだ所の話が、間違えていたりするとこの手の本は途端にそっぽを向かれることをよく理解しているのだろう。
ただ、途中で話の次の内容を明け透けに予言する文章が章末ごとに出てくるのには辟易した。
単行本にするにあたって、この部分を編集してくれたら良かった。
終わりもなんだかあっけなく、実在感に薄く、およそ現在のITレベルでは実現しかねる映画じみた場面が多いのがやや残念である。
ページ君の話す内容はなかなか面白いものがあった。

20080511書斎の達人 宇田川悟


20080511 書斎の達人 宇田川 悟

文芸界の著名人の書斎を紹介している。
途中で飽きてきたので、半分ほど読んで三国連太郎のページを読んで、やめた。
それにしても、うらやましい書斎ばかりだ。
うちのリビングより広い書斎が殆どだ。
筆記具も高級品がごろごろしている。
自分のお気に入りの小物がずらりと並んでいるところが各人のこだわりを現している。
犬小屋マンションに住んでいるサラリーマンからは、夢のような書斎である。
いつかは自分の書斎を持ちたいなあと思う。
芸術家や建築家の書斎を紹介している本があれば、是非読みたい。
そんな本はないですかね。

20080511宇宙への秘密の鍵 ルーシー&スティーブン ホーキング


20080511宇宙への秘密の鍵 ルーシー&スティーブン ホーキング

子供向けの本かと思っていましたが、大人が読んでも充分楽しめる本です。
ホーキング博士の最新のブラックホールの理論が描かれています。
ブラックホールの蒸発の理論が登場人物のエリックの救出で出てきていますが、なんともメルヘンチックな話になっています。これは生物の形態学で、鶏とすりつぶした鶏の違いは何か、という理論を知っていれば蒸発した人間を再生することは不可能だとすぐに判ります。著者はこのことを知らないか、知っていてもブラックホールの蒸発の話を判り易く説明する上で敢えて無視したのかもしれません。
敵役が出てくるところが何とも英国風です。
続編が楽しみです。

20080506ゲーム理論を読み解く 竹田茂夫


20080506ゲーム理論を読み解く 竹田茂夫

現代の経済学の基礎理論にもなっているという、ゲーム理論。
かなり、難解です。
映画「Beautiful Mind」で主人公ジョン・ナッシュが病魔に冒されながらもこの理論に到達するさまが描かれていて、前から気になっていた理論でした。
この本では、ジョン・ナッシュよりフォン・ノイマンを原論著者として紹介している。
囚人のジレンマ、辺りは面白くて理解できたが、それ以降は読んでもさっぱり判らなかった。
1章を読まずにギブアップしました。
もう少し初心者向けのわかりやすい本で理解したいものです。